-KARMAのタイトルについて-
W:そもそも、KARMANって何?ってなると思うんやけど。
IGU:業(カルマ)という言葉ですね。仏教に由来する言葉です。
W:振り切ってるよね。なかなか聞きなれない言葉だから、ん?ってなるし、仏教用語って・・・。
IGU:はい。テーマが先行して作っていた曲ではあります。
W:テーマが先行って意味がわからんのやけど。
IGU:カルマって言葉を使った作品を作りたい。と、考えました。
W:うわ、びっくりするほど単純。言葉覚えたての子供みたい。
IGU:(笑)それに近いかもしれないですね。
人の中にある葛藤や衝動を描いた作品を出したいとは思っていました。
W:IGUの詞って『葛藤』とか『秘めた感情』とか、割と内面的な歌詞が多いよね
IGU:そうですね。深い感情の比喩であったり、状況や立場の絵を描くことが好きです。
ボキャブラリーが少ない事は難点ですが。
W:SOLBRAとしてはどうなんだろうね? 言葉が難解になることはイメージとは合ってない気がするけどね。
IGU:正直、バランスだと思っています。肉ばっかじゃなくてたまにはサラダも食べたい!みたいな。
自分は内面を描く作品が好きですが、そればっかりに傾倒しないようにしています。
W:それで、KARMAN? 業? どかーん!!と来てるよね。
IGU:そうですねー、実はカルマというのは、当初、仮題でつけおりました。
それが最終的にタイトルとして一番マッチしている。と思えたんです。
W:歌詞の世界観って、「自分自身の殻を壊せ」ってメッセージだよね。
IGU:はい。親や他人の為に生きる人生でなく、自分の為に切り開け。というメッセージがあります。
W:カルマってそういう意味があるんだっけ?
IGU:解釈はちょっと難しいところがありますね。詳しくはグーグルなどで調べていただいて(笑)
W:えらい投げ方するね。
-撮影について-
W:KARMANのMVは撮影行かせてもらったけど、いやー凄かったね。
IGU:あの日も二本撮りでしたからかなり強行スケジュールでした。
(カズヲのXYZのMVをIGUが監修しており、SOLBRAのKARMANと同時撮影)
W:XYZスタッフにはダンサーさんもいるし、レイヤーさんいるし、ドラッグクィーンさんもいるしで、凄かったね。
IGU:あれはなかなか無い環境だと思います(笑)
カズヲのMV 「xyz」は前作「やさしい涙」に続き、MVをIGUがシナリオ・監督 制作:To-Ri=HEADで行った
W:レイヤーさんはカッコよかったね。男心をくすぐられるよ。
IGU:レイヤーさんというより、リアルライフヒーローのwel-coner(ウェルコナー)さんですね。
W:そうそう。そもそもどういう経緯でその方と知り合ったの?
IGU:私から声をかけさせていただきました。純粋にファンでしたね。
W:というと?
IGU:今はリアルライフヒーローとしてのご活動からは離れていらっしゃるんですけど、当時は、
あのようにヒーローの恰好をして、渋谷等の街中の清掃活動をされていたんですよ。
W:あー最近も多くいらっしゃるよね。
IGU:そうですね。我々SLOBRAも人の注目を浴びる事をやっている以上、社会に対してどのように
関わっていけるか?というのを考えないと。と感じさせていただきました。
W:ヒーローと掃除が結びつかないんだけど?
IGU:結びつける。っていうのは既に常識の枠組みなんですよ。特に日本はその傾向が強いですよね。
「いい子でいなきゃいけない」「親に迷惑をかけちゃいけない」とか。
W:それは当たり前の事じゃない?
IGU:もちろん。悪いことをするのを勧めているわけではないんですよ。ただ、その基準となる
モノサシが親や周りによって決められているんじゃない?って事なんです。
W:ふむ。周りに影響されている。自分で決めていないんじゃないか?って事?
IGU:そうです。ただ、間違ってはいけないのが、全てに自由が許されているわけではありません。
ルール・法・モラルは存在します撮影していました
W:難しいね。これ(この会話のこと)記事にするんでしょ?こんな話でいいのかな?
IGU:KARMANに込めた思いというのは、そういう枠組みとか、葛藤から抜け出して
自分を描き出せ。っていう内容なんで、この内容は避けられないかなと思います。
W:マイノリティー(少数派)かマジョリティー(多数派)って事にも絡むよね。
IGU:そうですね。特に日本はマイノリティーを良く思われない傾向があると思います。
そうやって自然に、自分の中でルールもというか、枠組みができちゃうんですね。
W:で、その枠組みを破ったのはさっきのリアルライフヒーローさん?
IGU:そうですね。立役者でもあると思います。なぜ目を引くのか?なぜ気になるのか?
それは皆さんから見て、自分の枠組みに入りきらないからなんですよね。
その人が率先して街の清掃活動を行う。というのは、彼らの中で自分たちの見え方やどうあるべきか。
という見せ方を徹底的に考えたんだな。と思いました。
W:えらく熱く語るね。よっぽど好きなんやなーってわかるね(笑)
IGU:カッコいいですからね
W:で、MVのシナリオはあまりそんなバックグランドは感じさせないものだけど?
IGU:そうですね。急遽シナリオを直前で変えさせてもらいました。
W:当初は「リアルライフヒーロー」としての活動にフォーカスを充てるって書いてあったから、
もらったシナリオみてあれ?ってなったよね
IGU:それはホントごめんなさい(笑)当初は彼らの「リアルライフヒーロー」の側面を知ってもらうつもりでいました。
w:映像としてはあるけど、これが俺らの活動!っていうのはわからないね。
IGU:メッセージ性の強い歌ではあるので、観たときの切り口は軽くしたい。という思いがありました。
W:歌詞を全テロップだもんね。。。
IGU:そうですね。それに加えてシナリオが重かったらちょっと(頭に)入ってこないかな。と。
それで、急遽、wel-conerさんの「ヒーロー」としての見せ方に注力しました。
W:ほー。色々考えてるんやね。
IGU:そうですね。思わず何度も見てしまうMVでありたいと思うので、バランスは重要視してます。
W:じゃあ、最後にまたメイキングのご紹介を!
IGU:この作品は、二本撮りの中みんなハイテンションで撮影していました。
映像の魅せ方にもこだわってできた一作です。その裏舞台も、ぜひちらっと覗いてみてください。
メイキング「KARMA」